社会人が1ヶ月でFP2級に合格した勉強法!3級との違いは?使用教材や勉強時間も紹介!
FP2級の勉強って何をしたら良いの?3級とは違う?難易度は?など、これから2級受験を考えている方は気になることがあると思います。
この記事では、働きながら必要最低限の勉強で合格した私の勉強法をご紹介します。
プロのFPとして仕事をするには今回の勉強時間では足りませんが、とにかく最短で合格を目指したい方には参考になると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
3級との違い
まずは、2級と3級の違いを以下の項目ごとに見ていきましょう。
- 受験資格
- 試験範囲
- 試験時間
- 難易度
受験資格
3級は誰でも受験できますが、2級は受験資格を満たした人だけが受験できます。2級を受験できるのは、以下の①~③いずれかに該当する人です。
- 日本FP協会認定のAFP認定研修を修了した者(修了証明書の保持者)
- 3級FP技能検定の合格者、金融渉外技能審査3級(旧審査試験)の合格者
- FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
つまり、先に3級に合格することで誰でも2級を受験することができるようになります。実務経験等がない方は、まずは3級の合格を目指しましょう。
2級も3級と同様、日本FP協会と金融財政事情研究会(以下、金財といいます)が実施する試験のいずれか一方を選んで受験することができます。受験資格はどちらも共通です。
試験範囲
学科試験の試験範囲
日本FP協会・金財共通で、以下のとおりです。
A.ライフプランニングと資金計画
B.リスク管理
C.金融資産運用
D.タックスプランニング
E.不動産
F.相続・事業承継
これだけ見ると3級と同じように見えますが、「中小法人の資金計画」や、「法人税」「消費税」、「事業承継対策」などの項目が増えます。さらに、3級では3択でしたが2級では4択に変わるなど、出題形式の面でも難易度が少し上がります。
実技試験の試験範囲
実技試験の試験範囲は、日本FP協会と金財で異なります。
日本FP協会の試験範囲は以下の1つのみです。
- 資産設計提案業務
金財の試験範囲は以下のとおり4項目あります。
(学科試験の試験範囲(A~F)について、下記の項目を審査)
- 個人資産相談業務
- 中小事業主資産相談業務
- 生保顧客資産相談業務
- 損保顧客資産相談業務
日本FP協会と金財で試験日が異なり、日本FP協会は年3回・金財は年1回しか試験がなかったため、以前は「いつ受験したいか」でどちらの試験を受けるか決める人も多かったと思います。
2024年以降はテストセンターのPCで受験する「CBT試験」が開始され、受験できる機会が増えました。2025年からは日本FP協会と金財ともに従来のペーパー試験は廃止され、CBT試験に完全移行されます。
CBT試験は受験者が日時を選んで受験することが可能なため、「日程的に日本FP協会しか受けられない・・・」などの試験日による制約がなくなりました。
受験日時の自由度が増した分どちらを受験するか迷われる方もいると思いますが、「とにかく合格できれば良い」という方は、実技試験の項目が少ない日本FP協会の試験を受けることをおすすめします。私は2級・3級いずれも日本FP協会の試験を受験し合格しました。
「合格した後に実務で知識を活かしたい」「各種相談に対応できる知識を身につけたい」という方は、実技試験についてもじっくり勉強して金財を受験すると良いと思います。
参考:https://www.jafp.or.jp/exam/subjects_02/files/saimoku_2fp.pdf(日本FP協会)
https://www.kinzai.or.jp/uploads/lib/doc/cws/fp2_specifications.pdf(金財)
試験時間
試験時間は日本FP協会と金財共通です。
- 学科試験 10:00~12:00(120分)
- 実技試験 13:30~15:00(90分)
午前と午後に分かれる長い試験なので、当日の過ごし方などはぜひこちらの記事も参考にしてください。
難易度
日本FP協会の2級の合格率は大体40%~60%です。金財の合格率はもう少し下がるようですが、団体での受験が多く準備不足で受験する人も多いことが要因と考えられています。
なお、学科試験はどちらも同じ問題のため難易度の差はありません。
合格率だけを見ればそこまで難関試験ではないのですが、学科試験と実技試験のいずれも合格点を取る必要があることと、試験時間が比較的長いことが少し受験のハードルを上げています。
合格までに必要な勉強時間は150~300時間といわれており、3カ月は勉強期間を確保したいとされています。
誰でも受かるような試験ではありませんが、きちんと準備して臨めば合格できる試験です。
3級の内容と重複する部分がほとんどなので、3級の知識が抜けないうちに2級の勉強を始めればスムーズに学習が進むと思います。
私の勉強時間
問題集を解いた時間は計25時間30分でした。テキストを読んだ時間は記録していなかったのですが1つのセクションに1時間ほどかかったとすると、問題集を解いた時間と合わせて合格までの勉強時間は計30時間ちょっとだったと思います。
3級の知識が残っていたり、既に知っている内容もあったので、一般的に必要とされる時間よりも短時間で、なんとか合格できました。
私が受験した時はCBT試験がなく年3回のペーパー試験のみだったため、受験を決めた日から1日1時間ほどの勉強を約1カ月続けたところで試験当日を迎えてしまいました。
勉強を始めた時は「1ヶ月やれば合格できるだろう」と思っていたのですが、実際に勉強してみると時間が足りませんでした。試験まで1ヶ月しかないのに1日1時間しか勉強していなかったということからも、完全に油断していたことが分かります。
試験まで1ヶ月しかなくても、1日3時間やれば100時間近くになります。合格までに必要な勉強時間の目安が150時間〜といわれているのでそれでも少し足りませんが、それくらいはやった方がよかったかなと思います。
30時間で合格を狙うのはギャンブルなので、皆さんはマネしないでください。
使用教材
私が使用した教材は、3級受験時と同様、TACの「みんなが欲しかった!」シリーズの「FPの教科書」と「FPの問題集」です。
過去に簿記2級と3級に合格した時にも、「みんなが欲しかった!」シリーズの簿記の教科書と問題集を使用して勉強した経験があるため、「みんなが欲しかった!」シリーズには信頼がありました。
「教科書」はフルカラーで見やすく、覚えるべき重要なポイントがまとまったPDFをダウンロードできます。「教科書」を持ち歩かなくても、スマホでいつでもどこでも気軽に復習できるのが便利でした。
フルカラーのため、試験でよく問われるところは赤シートで隠せるようになっています。もちろん赤シートもついています。
「問題集」は過去に出題された問題が各分野ごとにまとめて掲載されています。試験に合格するには過去問を解くことが1番の近道だと思っているので、この1冊でかなりの問題数を解くことができるのは嬉しいです。
また、各分野ごとに問題がまとまっているため、「どの分野が苦手か」「どこを集中的に勉強すべきか」が見つけやすかったです。
この2冊を使って勉強することで、合格できる知識を身につけることができました。
私の勉強方法
ここからは私の勉強方法をご紹介します。
使用したのは前述の「FPの教科書」と「FPの問題集」の2冊のみです。
具体的な使い方としては、まず「FPの教科書」をひと通り読んで、2級の出題範囲をざっくり理解します。その後、「FPの問題集」で問題演習を始めました。
「FPの教科書」は1度読んだだけなので、初めはほとんど解けない問題ばかりなのですが、試験日まで時間がなかったので、実際に出題される形式で覚えた方が効率的だと判断しました。
「FPの問題集」は全体を2周し、3周目は2回とも正解した問題以外(=1度でも間違えた問題のみ)を解きました。
3周目も間違えた問題は4周目も解きました。4周目でも間違えた問題がいくつかありましたが、5周目をやる時間がないまま試験当日を迎えました。
4回とも間違えた問題については「1度くらいは正解したい」と思い本当は5周目もやりたかったのですが、4周まででもなんとか合格することができました。
時間があれば、できれば全問せめて1度くらいは正解できるようにしたいところでした。さすがに1カ月では合格点ギリギリで本当に運よく合格できたので、皆さんはもう少し時間に余裕を持って準備することをおすすめします。(合格発表までは「落ちた」と思っていました・・・)
まとめ
2級は誰でも受験できる試験ではないことや、3級とは試験範囲や出題形式が変わり難易度が上がること、それでもしっかり準備して臨めば合格できる試験であることを紹介しました。
使用教材は市販のものでも十分なので、できれば3カ月程度の勉強期間を確保して問題集を繰り返し解いてみてください。皆さんの合格をお祈りしています!
市販の教材で勉強してみたけどやっぱり難しい、という方は各予備校の通信講座もあります。私のおすすめは「スタディング」です。1人で諦める前に、ぜひ一度検討してみてください!